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白浜町を選んだ。同町は外房に位置する気候温暖な地区で、農業・漁業関連産業を主とした、世帯数約2,300戸、総人口約7,300人の町である。都市としては、東京都および神奈川県在住の婦人のグループである「東京友の会」の会員を対象とした。この会は雑誌「婦人之友」の愛読者によってはじめられた会で、キリスト教精神に基づいてよりよい家庭生活を築くことを目的としており、家事をはじめとした生活全般にわたって実践教育を行なっている全国的な組織(会員数約3万人)である。東京友の会は、その一支部である(会員数518名)。
調査対象者は、30〜60歳代の婦人とした。白浜町役場保健課と友の会事務局の協力を得て、年齢のマッチングを行ない、調査対象者を選定した。その結果、白浜町120名、東京友の会111名が調査に同意した。なお高血圧、糖尿病で治療中の者は、対象から除外している(高血圧17名、糖尿病6名うち、3名は重複)。
調査は質問紙による生活習慣調査と血圧、身体計測と血液検査よりなる。生活習慣調査には、LPC式生活習慣検査票(日野原ら1982、佐伯ら1988,Takagi1991)を用いた。本検査票の概略は次の通りである。この検査は、年齢、職業、飲酒・喫煙の有無など対象者の基本的プロフィールと生活習慣に関する22尺度に関連する176の質問からなる。なお、各尺度は8つの質問で構成される。各尺度は1つの質問で決定されるのではなく、8つの関連質問に対する回答から数量的に合成される。各質問では回答に応じて0,1,2の得点を与え、その合計を尺度得点として、生活習慣を計量的に評価する。生活習慣の22尺度は5群に大別される。?食生活習慣(6尺度)、?周固の人間との接し方や生活態度(9尺度)、?心身の健康状態(3尺度)、?性格(3尺度)、そして、?健康は自分の努力ではどうにもならないとする遺伝的健康観尺度である。生活習慣尺度とその定義を付表に示す。

 

付表 生活習慣尺度とその定義

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血圧、身体計測と血液検査の検査項目は、収縮期血圧、拡張期血圧;身長、体重、肥満度;総コレステロール、HDL−コレステロール、尿酸、グリコヘモグロビンである。身長、体重、血圧値は自己申告による近過去の値を用い、肥満度はBody Mass Index(体重(kg)を身長(m)の二乗で除したもの:以下「BMI」と略す)を採用した。
調査期間は、白浜町は1991年7月4日〜8日、東京友の会は1991年7月16〜20日である。調査日程は初日に対象者に説明会・採血ならびに生活習慣検査票配布を行った。生活習慣検査票は各地区ともに最終日に回収を行った。当初、調査に同意したが、判定の有病者や都合により参加できなかった者もあり、最終的には白浜町114名、東京友の会92名となり、回収率は89.2%であった。図1に示すごとく、平均年齢は白浜町46.5歳、東京友の会47.8歳で有意差はなく、全体では、47.1歳であった。採血は対象者に空腹で来所することを指

 

 

 

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